| コラム4 | |
| FUS(猫泌尿器症候群)について |
コラム3で「室内飼育についてのメリット」を書きました。 その中で、出入り自由にしていた時にはほとんど見られなかった、FUS(FLUTD)に罹患する猫が出てきたことを書いています。 FUS(猫泌尿器症候群)は、最近ではF.L.U.T.D(猫下部尿路疾患)とも言われ、人間のいわゆる「尿道結石」のようなものです。 このFUS(FLUTD)は、通常は夏よりも冬の方が発症をしやすいと言われていて、猫の活動量が減る=水の摂取量が減る、ということが関係があるのではないかと考えられています。 従いまして、運動量の少ない室内飼育環境であれば、出入り自由の猫に比べれば、やはりこの病気にかかりやすいのは当然のような気もしてしまいます。 (ただし、だからと言って、出入り自由がいいとは言えません。出入り自由な環境では、もっと多くのデメリットが存在しているからです。詳しくは「コラム3」で書いています) このFUS(FLUTD)に罹患した猫は2頭。 我が家のボス猫の座を争うオス猫です。 ********************************* ↓です。(左=ハッピー、右=はなくそ) ボス猫争いをしていますから、普段は、決して仲良くはないのですが、この時は自宅においてある狭いダンボールの中で、2頭仲良く並んで入っていました。 あまり珍しいので「パチリ」。 呉越同舟!ですか。 当ホームページでは、自宅の猫の写真を公開したページはありませんので、ホームページ開設後6年も経つのですが、初めてとなります。 はなくそ君は、今の所に引っ越す前から我が家にいた猫です。 変わった猫で、掃除機に吸われるのが大好きと言う極めつけの変態!猫です。 性格は、茫洋としておっとりしていて、大物の感覚があります。 ただの「お馬鹿」なのかもしれませんが・・・。 性格から考えて、我が家に来ることなく野良のままであったら、恐らくは生きながらえてはいないでしょう。 推定年齢は12歳。 いつだったか、早朝、カラスの大群に取り囲まれながら、本人は落ち着き払っていたところを見たことがあります。 朝の5時前だったかと思いますので、私は当然寝ていたのですが、「カーカー、カーカー」とただならぬ様子に外に飛び出て、カラスを追い払って救出した事があります。 かたやハッピー君は、今の所に引っ越した後に我が家に来ました。 年齢は6歳。 当時、自宅の近くにお住まいだった猫ボランティアさんのお家から来ました。 我が家も、もう、引き取れる頭数ではなかったのですが、ボランティアさんが用事で家を開ける時に、まだ離乳前だったハッピー君を我が家で一時預かりをした際、家内が一目ぼれ・・・そうして我が家に来ることになりました。 性格は、とっても人懐っこくて甘えん坊。 ボランティアさんが、よほど愛情を込めて接してきてこられたのではないか・・・そう思わせる猫ですね。 ********************************* FUS・・・実は、これまでは経験したことがありませんでした。 日常的に子猫の保護と里親探しをしてきた我が家で、その10数年と言う期間に猫に係わった頭数を考えれば、ほとんど奇跡なのかもしれませんが。。。 ある日、会社の残業時間中、家内からの電話。 「おかしい・・・ハッピーが、トイレに何度も入っては出てくる。」 「肉球の色が、ま赤。」 「オチンチンをなめてばっかり。」 「元気がない。立たせてもコテっとしちゃう」 「変なところにおしっこしてた」 「首の後ろをつまんでみろ」とは、私。 「脱水症状はないみたい」とは、家内。 重篤な病気の際に脱水症状を伴うのは経験で分かっていたのですが、どうやらその症状はないらしい。 首の後ろの、親猫が咬んで子猫を運んでいくあたり、そこをつまんでみて、皮膚の戻りが悪い状況はかなり悪いしるしなのです。 それは家内も良く分かっています。 「それもないのか・・・。」 なんだろう。。。 経験値がないので、判断が出来ない。 ただ、聞いたことがあるFUS(FLUTD)ではないかとピンときたものがありました。 「分かった。すぐ帰る。」 この病気は、緊急になる・・・よく言われていることです。 仕事をとにかく打ち切って、とにかく早く自宅に帰って、、、 帰宅して、様子を見ると、「これは、まずい・・・」直感的に思いました。 とにかく、緊急な対応が必要な病気です。 そのままペットキャリーに入れて毛布を被せて、最寄り駅近くにある動物病院に連れて行きました。 もう、深夜の12時近かったと思います。 私は、実は、信頼できる獣医さんは多くはありません。 しかし、緊急であればどうしようもないんです。 深夜でも見てくれる病院の多くは、インターン的な経験値が多くない獣医さんが見てくださる所も多くて、どうしても不安が残る。。。 ですから、処置のすべてに立ち合わせて欲しいと申し出ました。 恐らくは、「うっとおしい奴」と思われたことでしょう。 カテーテルを通して、おしっこがでたとき、ホント力が抜けました。 涙が出ました。 「よかったなあ」「辛かったろう」 お皿のようなものに入ったおしっこのなかの、キラキラ輝く物体。 「これがストラバイトです」 「再発することが多いので、今後も油断できませんよ。もう少し遅かったら、この子も危なかったかもしれません。」 「処方食を出しますので、今後は、それだけを与えてください。」 「健康状態を見たいので、1週間お預かりします。」 「お願いします・・・」とだけ言いました。 もう、時間も午前3時位です。 安心したので、私も、眠りたかった・・・それも連日の深夜残業続きで、クタクタでもありました。 そして・・・一週間後に退院。 掛かった治療費は、ナント9万円でした。 ビックリ。。。 (腕が良くて安い掛かり付けの病院であれば、恐らく三分の一程度なのか・・・。でも、引越し前から掛かっている病院でもあるので、現在の自宅からは遠いのです) 我が家は、頭数が多いので、ホントこの病院代は、大変なものになります。 今回のような内科的な病気は、まだいいのですが、外科的な病気の場合はとんでもないことになります。 それでも、精一杯のことをしてあげたいと考えるのは、ごく普通の感覚だと思います。 でも、キツイですよねぇー。 退院後にはこの時に頂いたFUS(FLUTD)の処方食(ヒルズのs/d)を与えたですが、中々食べないし、また、我が家ではとにかく頭数が多いので、この2匹だけに処方食を与えるのも難しくて、結局、その時は食事の管理はできませんでした。 すると・・・わずか1ヶ月で再発の憂き目に遭いました。 ハッピーに続いて、はなくそも立て続けに罹患しました。 そうした経験から、その後は、日常的に食べさせるキャットフードを、とにかく良質なものに切り替えていくことにしました。 病院で貰った処方食は、とにかく食べないので、どうしたものか・・・。悩みました。 これまでは一般のキャットフード、それも知名度の高い有名なキャットフードをペットショップで購入したものを与えていましたが、このころから処方食とのブレンドに切り替えてみました。 しかし、どうも猫は、質の良くないキャットフードの方がおいしいようですよねー。 うーーーん。 とにかく、少しずつ・・・少しずつ・・・。 でも、仕事から帰ってくると、「目が点」です。 処方食だけをより分けて上手に食べるんですよね。 はしを使ってもいないのに。 ホント不思議。 仕方なく、処方食ではなく、マグネシウム含有量の少ないプレミアムフードとブレンドしてみることにしました。 しかし・・・このプレミアフードというやつも、実は中々食べてくれない。 アイムス・ユーカヌバ・サイエンスダイエット・ロイヤルカナン・・・苦労しました。。。 結果、何とか ネイチャーズベスト に落ち着きました。 ネイチャーズベスト<成分> 粗蛋白質:30.0%以上 、粗脂肪:19.0%以上 、粗繊維:2.0%以下 、粗灰分:6.5%以下 、水分:10.0%以下 、カルシウム:0.60%以上 、リン:0.50%以上 、マグネシウム:0.08%以下、タウリン:0.10%以上、ビタミンE:500IU/kg以上 、ビタミンC:120mg/kg以上、100g当たりのカロリー:408kcal また、一般フードも成分を良く見て、マグネシウムの少ないものを選んでいきました。 FUS(FLUTD)対応とは明記されていても、マグネシウム成分が意外に多いものもあります。 また、有名なフードであっても、成分表が詳細に記載されてないようなものは、選択肢から外していきました。 一般食では、一部のキャットフードではマグネシウム含有量を明記していますが、大抵は1.0%〜1.2%程度というところです。しかしながら、ほとんどはマグネシウムの含有量すら明記はありません。FUS(FLUTD)対応と明記されているのにでもです・・・。どういうことなんでしょうか・・・。 結果、一般食では、 ユニチャーム「銀のスプーン」がマグネシウム0.08%(7歳以上用)と、プレミアフード並の水準で、しかも食べが良いこともあって、これをメインにプレミアキャットフードをブレンドしていました。 銀のスプーン<成分> 粗タンパク28.0%以上、粗脂肪18.0%以上、粗繊維3.0%以下、粗灰分7.0%以下、水分10.0%以下、ビタミンA 10000IU/kg以上、ビタミンB1 5.0mg/kg以上、ビタミンB2 5.0mg/kg以上、ビタミンE 80IU/kg以上、カルシウム0.9%以上、リン0.72%以上、リノール酸1.0%以上、塩化ナトリウム0.5%以上、タウリン0.1%以上、マグネシウム0.08%(標準値) 余談ですが、キャットフードの切り替えにはホント苦労しました。 何故食べてくれないのか・・・、ちょっと自分でキャットフードを食べ比べて(!!)みたことがあります。すると分かったのは、プレミアキャットフードは、一般キャットフードに比べて味が薄いんですね。 それに、一般フードの中でも、「食いつきがいい」とか宣伝していたりしているのは、押しなべて「味が濃い」のです。 これはどうなんでしょう・・・大きさが何倍もある人間の味覚で・・・分かる。。。 そして、こっちの方がおいしいと、人間が感じてしまうって。。。いったい??? 何か鼻につく臭いも気になりました。 「何か、変???」と思ったものです。 そして、結局は上記のキャットフードに落ち着き、しばらくは、これで大丈夫でした。 しかし・・・残念ながら・・・、またハッピーが再発。 確かに6ヶ月位はこの病気に罹りませんでしたので、効果はあったものとは思います。 多分、この病気に罹患前の状態であれば、質のよいキャットフード選びで、かなり予防は出来るのではないかと思う位です。 日常に食べさせるキャットフードは、とにかく最初から質のよいものを・・・。ホント重要だと実感しています。 病気にさせて苦しい思いをさせたくないですからね。 全身麻酔でおしっこを抜くなんて・・・、少なくとも私はしたくない。。。ですから。 それに、味だけがいいフードに猫が慣れてしまうと、後々大変なので。。。 その後は掛かり付けの獣医さんに相談の上、心を鬼にして、処方食だけにしてしまいました。 この時処方されたのは、ヒルズのS/Dよりも、日常的に与えるのには適しているということで、ウォルサムのスターターでした。 現在は、我が家の猫軍団14頭、すべて同じフードを与えています。 (我が家は、里親さんが見つからなくて居残った高齢の猫がほとんどですので、可能なのかもしれませんね。若い猫が多くては、栄養価の観点から、まず出来ないと思いますから。ハッピーは確かに若いですが、もう既にFUS(FKUTD)の罹患猫ですからね。) とにかく・・・、処方食は高価なので大変ですが、仕方ありません。 病気にさせるよりは、よほどいいですから。 でも、まあ・・・本当に食べるようになるまで苦労をしました。 とにかく、他には与えない・・・。 食べなくても放っておく。 すると、ボチボチ食べてくれるようになりました。 現在は、完全にフードの切り替えに成功しています。 猫のしつけって、犬とは本当に違いますね。 叱ったりしても、犬とは違って中々分からないんですねー。 室内飼育に切り替えた時も感じましたが、「何より根気」。 そんな感じだと思います。 今は処方食の ウオルサム「スターター」 だけを与えていますが、もう2年も再発はありませんので、安心していい状況になっていると思います。 いつも大量に買いますが、楽天だと動物病院よりずっと安いので、とても助かっています。(上記スターターのリンクは楽天に飛びます) スターター<分析値(100kcalあたり)> カルシウム:0.2g、カリウム:0.26g、リン:0.18g、マグネシウム:0.02g、鉄:4.91mg、銅:0.55mg、亜鉛:5.32mg、クロール:0.60g、ナトリウム:0.31g、セレニウム:0.007mg、EPA+DHA:0.08g、タウリン:0.05g、アルギニン:0.44g、ビタミンA:727.3IU、ビタミンE:14.3mg、ビタミンC:5.19mg、ビタミンD3:38.96IU、ビタミンB1:0.73mg、ビタミンB2:1.45mg、パントテン酸:1.61mg、ビタミンB6:1.19mg、ビタミンB12:0.005mg、ニコチン酸:4.55mg、ビオチン:0.086mg、葉酸:0.39mg、コリン:64.94mg フードは日常から気をつけていないと、後々大変な事になります。 ホント、懲りました。 人間の成人病といっしょですかね、やはり。 未だ、この病気を発症していない猫でも、予防のために是非ともフードに気をつけて頂きたいと思います。 多分、質の良い一般食かプレミアを選んであげれば、発症の予防は出来るように思うんですよね。 なってしまってからでは大変ですから。 とにかく日頃から、少しずつ心掛けけていくことかと思います。 プレミアフードの成分比較表を作成しています。こちらをご覧下さい。 栄養素の説明ページも作りました。 低マグネシウムランキングもあります。 ご参考までにどうぞ。 その他としては、多分、運動の出来る環境の確保とか、食べきりでフードを与える習慣(頭数が多いにもかかわらずペットフードストッカーは使用していません)とか、新鮮な飲み水が飲める場所を多くするとか、そういった点も重要なのではないかと考え、工夫をしています。 特に運動は、上下運動が出来る環境が重要かと思います。 我が家では、巨大なキャットタワーを2基、狭いリビングに設置していますし、また、タンスの上に支障が無い様に乗ることが出来るように余分なものは置かず、さらにはそこで休めるような小さなベットなんかも置いています。 色々、工夫してみるといいかと思います。 以下は、FUS猫泌尿器疾患(FLUTD猫下部尿路疾患)のお役立ちリンクです。 ・猫の尿晶・尿石(FUS・FLUTD) ・FUS(猫泌尿器症候群) ・「FUS」「FLUTD」ってなーに?オス猫の泌尿器症候群 ・医療情報−猫の泌尿器症候群 ・猫の下部尿路疾患(F.L.U.T.D) |
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