分譲マンションにおけるペット飼育の可否については、そのマンションで定める管理規約にどのような規定がおいてあるかによって異なります。おおまかに区分すると、一般的には下記のようになります。
1.ペット飼育の禁止
2.制限付きで認める
3.一代限りにつき認める
4.規定が無い
まず1ですが、この場合は動物を飼育する事は出来ません。また、「小鳥、魚以外の動物を飼育して他の区分所有者に迷惑を及ぼす行為をしてはならない」等と規定しているケースもあり、この場合でも猫の飼育は、基本的には出来ないと考えた方が間違いは無いと思われます。 ただしこの場合では、「迷惑を及ぼす行為」を一体どの程度までと捉えるのかの判断が難しく、一概には言い切れない面があります。また、マンションによってはこのような禁止規定を置いていても、管理組合の運用の上で、黙認しているケースもあり、このような場合は、仮に飼育していたとしても問題にならないという事になります。
ただ、一旦ペットの飼育が問題視されるに至った場合、管理規約に定めがある以上、ペットの飼育を諦めるか、または、マンションを退去するかの苦しい選択を迫られる事態に至る可能性は、やはり捨てさる事ができません。
特にマンションの場合、管理上の業務執行機関である理事会を構成するメンバーが、1−2年という短い期間で変わってしまう事も多いため、ペット等の諸問題に対する対応の仕方が、理事会を構成するメンバーの考え方次第で変わってしまうような事が往々にしてあります。
また、売買等でマンションの所有者が変わる事もよく有る事ですが、新しく所有者となった人が管理規約違反を指摘した事により、それまで潜在していたペットの問題が急に表面化する事もあり得ます。
このため、ペット飼育の禁止の規定が管理規約に定められているマンションの場合は、仮に黙認的に飼育されてきている場合でも、できれば飼育を避けた方が無難といえるわけです。
但、数年来黙認の立場をとってきたマンションにおいては、いきなりペットを処分するように求められる事はほとんど無く、一般的には3で述べるような措置をとることになろうかと思います。
次に2の場合ですが、この場合は規約に定める制限の中でペットを飼育する事が出来ます。よく見受けられるのは頭数・大きさ・種類の制限でしょうか。その他、避妊手術を受けさせる・管理組合への届出と許可・上下左右の住居の居住者の承諾書を提出させる等の定めも見受けられます。
このような場合は、その規定を遵守することが必要です。一般的にこのような規定を置いているマンションは、全面的に禁止しているにもかかわらずペットの飼育を黙認しているところに比べて、ペット飼育に対して関心が高い事が多い為、定められたルールに従わなかった場合、かなり厳しく追及する事もあり得ますので、注意が必要です。
また、ベランダ・バルコニーは各部屋に附属していますが、厳密には個人の所有権の対象とはならない共用部分とされますので、(専用使用部分と言われます)この部分に小屋や屋根サンルームを設置するなどをして動物を飼育する事は出来ません。この点にもご注意下さい。
つぎに3の場合ですが、これは現在飼育しているペット一代限りにおいて飼育を許すというもので、先に説明した1のケースや後に述べる4のケースで、後々ペットの飼育問題が表面化した際に経過措置として採用される事が多い規定です。また、同時に2で述べたような制限を設けたりする事も多々あります。
このような定めをおいた場合、ペットを飼育している人で構成されるペット委員会などの組織を設けて、そのペットの登録管理を行うと共に居住者間のトラブル等の解決をはかるなど、ペット飼育者の自己責任で対応をはかるケースが多く見受けられます。
このケースにおいては、予め登録をしている動物のみの飼育が認められ、後になってからの新規の登録は認められないケースも多く、このことから所有者間で不公平との不満の声が上がるケースもあります。このケースでは、裁判にまでなった例もありますが、不公平であり平等の原則に反するとの新たにペットを飼育した方の主張は、残念ながら認められない旨の判断が示されました。
最後に4のケースですが、この場合は基本的にペットは大丈夫だと思います。(現在では極めてまれですが・・・)
ただし、この場合であっても常識的な範囲を逸脱した飼育は、区分所有者(マンション所有者の事を言います)間の共同の利益を害する行為として、それ相応の責任を問われる可能性もあり注意が必要です。
いわゆる受任限度の問題もあって、どの程度が相当かの判断は難しい所ではありますが、所有権の共有関係の存在するマンションの場合、一般的に言って、一戸建てよりは厳しいものと思われます。
以上、おおまかにまとめてまいりましたが、マンション等の共同住宅でのペットの飼育には、様々な制約が存在します。特に分譲マンションの場合は、なによりも管理規約にどのような定めがあるかを確認される事が重要です。
最近、増えているペット可の新築分譲マンションにおいても、飼育に関して一定の制限が設けられている事が普通です。購入に際しては、まず管理規約の定めを確認されることをお勧め致します。セールスマンは、往々にして良い事しか言いませんから、是非とも、こ自身の目でご確認下さい。
これは、あくまでも私の個人的な見解なのですが、今後のさらなる高齢化社会の波と少子化の傾向は、高齢者のみの世帯の増加をもたらし、この事は、ペットに関する管理規約の整備を進めていく事になるように思います。
マンションにおいては、管理規約はそのマンションにおける固有な法律となります。
管理規約は、区分所有者及び議決権の3/4の合意があれば変更も可能ですから、ペットに関して優しい管理規約を目指して改正の運動を進めてみる事も有意義かもしれません。
最近聞いたところでは、都内のあるマンションにおいて、いわゆる地域猫の活動をしている所もあるそうです。管理規約に具体的な定めを置いたのかは不明ではありますが、こと分譲マンションのような環境の中でこのような活動が容認される例もあるというという事は、ある程度の賛同者さえ得られれば、ペット飼育可能な形に管理規約を改正していく事も、まったく不可能とは言いきれないと思います。
下記は、ペット飼育に関するモデル規定です。
中高層共同住宅使用細則モデル(ペット飼育細則例1)
中高層共同住宅使用細則モデル(ペット飼育細則例2)*ペットクラブ型
東京都ペット飼育モデル規定
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