1.はじめに
1973年9月に「動物の保護及び管理に関する法律」として制定されたこの法律は、1999年12月の第146回国会において改正、名称が現在の通り変更され、翌年12月1日から施行されています。
同法の附則第二条には
政府は、この法律の施行後五年を目途として、国、地方公共団体等における動物の愛護及び管理に関する各種の取組の状況等を勘案して、改正後の動物の愛護及び管理に関する法律の施行の状況について検討を加え、動物の適正な飼養及び保管の観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
と定められ、環境省では、2004年この付則に基づいて、愛護法の施行状況のあり方「検討会」を設置しました。
この「五年を目途」という部分に対応したものと思います。
第一回目は2月6日に開催されています。
当サイトでは、今後動向をこのサイトにて紹介していく予定です。
また、ここにきて、各愛護団体、市民グループにおける改正に向けての動きも活発となってきております。
ただし、この条文を読む限り、確実に5年後に改正されるとの定めにはなっておりませんので、愛護団体・市民グループのみにその活動を任せるばかりではなく、動物問題に関心のある各個人でも、この問題を考え声を上げていくことも重要かと思います。
<愛護法改正への取り組みのあるサイト>
環境省自然環境局
地球生物会議ALIVE (HOME)
Dearこげんた (HOME)
動物との共生を考える連絡会 (HOME)
ねこトラブルへるぱー (HOME)
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2.付帯決議
改正動物愛護管理法には、付帯決議が盛り込まれており、「政府は、本法の施行に当たっては、この付帯決議の事項について適切な措置を講ずるべきである」とされています。
特に付帯決議八号については、「付則第二条に基づき検討を行うに当たっては、次の事項について、適切に措置すること」と定められており、この点について特に検討をすべきものとしています。
この付帯決議第八号を引用いたします。
八 附則第二条に基づき検討を行うに当たっては、次の事項について、適切に措置すること。
1 動物取扱業者の届出制については、その実施状況を調査し、問題の発生の有無等によりその有効性を評価するとともに、東京都の登録制の条例制定など先進的な取組を踏まえ、優良業者の育成、消費者保護等の観点も加味した登録制などの措置について、実施可能性も含め検討を行うこと。
2 規制対象となる取扱業の範囲についても、問題発生の状況や、東京都などにおける条例の見直しの状況などを踏まえ、検討を行うこと。
3 規則に営業(業務)停止に係る命令等の措置を加えることについては、問題発生の実態等を踏まえ、その必要性や有効性を含め検討を行うこと。
4 罰則の対象となる虐待の定義等については、本法に基づく摘発や立件等の状況を踏まえ、見直しの必要性も含め検討を行うこと。
5 愛護動物の範囲については、本法で爬虫類を追加したところであるが、熱帯魚などが観賞用として増加していることなども踏まえ、今後の問題の発生状況等必要に応じてその見直し等につき検討を行うこと。
6 今回の改正案に盛り込まれていない事項(動物の取扱や情報公開等)についても、地方公共団体等における各種の取組等を踏まえ、動物の適正な飼養の推進の視点から検討を行うこと。右決議する。
この1項から5項につきましては、かなり具体的な内容となっています。
この点は、法律改正にあたり盛り込めなかった内容について、この5年の間にまず第一義的に考えるべきものと位置づけたのではないでしょうか。
これに対して第六項が、「その他の部分」になってくるかと思います。
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3.当サイトの考える改正の方向性
改正においては、次の2点を考えていく事が重要かと思います。
@殺処分の絶対数を減らすこと
A動物の福祉の向上を図ること
下記は現時点で私の考える方向性を簡単に述べていますが、今後随時見直し、書き加えていく予定をしています。(特に、他のサイトであまり述べられていない点にも触れていく予定です。)
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(1)愛護法において届出制となった動物取り扱い業については、登録もしくは許可制へと一歩すすめる。
*一定の基準を設け、それに適合した業者を登録、または許可をする。
登録または許可については有効期限を設け、更新を義務づける。
その他として、
ペットについて、実際に流通過程でどの程度の動物が命を落としているのでしょう。
これは全く闇に隠れてしまっていますが、ちょっと怖いような状況もあるのではないかと思っております。
私は、何故、ペット流通に関する部分に、誰も言う人がいないのかと以前よりとても不思議に思っています。
取り越し苦労・・・だといいのですが、店頭に並ぶ膨大な犬猫は本当に幸せになっているのでしょうか?
また店頭に並ぶことが出来ないようなケースは?
ちょっとした柄のことで「これでは売れない」とか・・・、聞きますよね。.
闇に隠れている部分は、まずは白日の下にするのが何よりも必要と考えます。
そこで、動物取り扱い業については、登録もしくは許可制とし、そのための要件として、現在届出を義務付けられている事項に加え、仕入れた動物の数、販売した数、返品した数、病気で死んだ数等、流通に掛かる部分の一定の情報を報告することを義務付けるようにすべきと考えます。
(2)動物実験に関して何らかの規制を設ける。闇雲に禁止をするのではなく、実験の必要性等を代替手段も含めて評価できる体制を作ること。実験施設の状況について、広く情報を開示すること。
*アメリカ・イギリス等の先進諸外国に比して、著しく遅れている部分です。
日本においては、昭和48年に定められた「実験動物の飼養及び保管に関する基準」が現在も効力を持っておりますが、この努力目標といえるもの以外には何らの法規制もないのが実情です。
動物保護法が現在の動物愛護法に改正された際にも、動物愛護団体からは強い改正の意見がありましたが、結局見送られてきております。
それどころか、現行法への法改正の際の付帯決議においても、この動物実験に関する規制については全く述べられておりません。
このことは、どうも恣意的な判断があるように感じられてしまいます。
付帯決議にすら盛込まれていないことから、今回も満足な議論すらなされないような気がするのです。
なお、動物実験の必要性といったものは、それを全く否定してしまうことは妥当ではないし、また多数の人のコンセンサスを得ることは、ほとんど出来ないものと思います。
それは、医学ほか多くの分野において、今日まで大きな成果を上げてきていることは疑いのない事実でもありますし、また、私たちは現代社会においてその大きな恩恵に浴しているといえるからです。
しかしながら一方で、動物実験の実態に関しては、そのほとんどが私たちの目に留まることはなく、行われている動物実験の必要性、代替手段の可能性、実験動物に関する妥当な取り扱いなど、果たして十分に考慮されたうえで行われているのかどうかなど、外部からはほとんど窺い知ることが出来ない状況となっています。 この部分については、先の基準を基に各実験施設における自主規制に任せられているのが実情となっています。
このことは、それぞれの実験施設において、その取り組みの格差が当然ながら生じてくることは想像に難くないわけで、中にはかなり劣悪な施設もあるのではないかと疑心暗鬼にならざるを得ないところになっています。
このため、劣悪な動物実験に関する噂が後を断たない訳ですが、私達がそれを実際に検証する手段も存在していないため、これら動物実験の問題については、必要以上に大きな不信感を生んでいる所もあるように想像しています。
科学技術の発展の妨げになるとの主張もありますが、それではアメリカ・イギリスと言った先進諸外国は、我が国に比べてそれらの面が劣っていると言えるのでしょうか。
もはやそのような主張は、現在においてはなんら説得力を持ちえません。
今回の法改正には、その第一歩として、わずかでも本法に言及をさせたいものです。
当サイトでは、動物実験に関する規制として、以下の項目を考えております。
@実験技術者の免許制、一定の技術者の人数ごとに免許を有するものを主任技術者として配置
A実験施設の免許制
B実験施設ごとに倫理委員会を設置
C実験動物の繁殖業者、流通業者の登録制
D上記業者以外からの実験動物の入手の禁止
E実験計画は施設の倫理委員会の承認を経て、都道府県(政令指定都市、中核市)に届出
F動物愛護評議会での審査
G査察官による査察(愛護推進員等)
*諸外国をみると、イギリスは中央集権的、アメリカは地方分権的な規制内容となっております。
(レジュメ参照ください。但し、個人的な研究のためにまとめたものにすぎませんので、整理された一つの記事にはなっておりません。)
動物愛護の徹底を考えた場合、前者の方がより有効とは考えられますが、一方で弾力性のある運営が出来なくなる恐れもあります。
そこで、我が国においては、
・免許等の部分で国が関わることによって技術者・施設レベルを一定以上の水準に保つと共に、
・実験計画自体は各施設の倫理委員会に権限を与え弾力性をはかり、
・さらに地方自治体においてその実験計画に必要に応じて関与(中止、修正勧告)できるような、
そんな体制が望ましいようにも思います。
また、愛護法に改正となった際に設けられた動物愛護評議会や動物愛護推進員制度を、この点で活用するのも一考かと思っております。
(3)素人ブリーディングの禁止
ブリーダーは免許制が望ましいと思います。免許を持たないものが、自ら繁殖させた犬猫を販売する行為は禁止すべきと考えます。また関連したこととして、ペットとして繁殖される犬の中には、先天的な異常(遺伝疾患)を持つものが多いと聞きますが、この点も明確な基準を設けて規制をすることが望ましいと思います。
(4)野生種を販売する際は固体識別を義務付け、動物は登録制とする。さらに不要になった場合は、犬猫等と同様に自治体で引き取るよう義務付ける。その際には、相応の手数料を収めなくてはならないよう定める。これらの動物の遺棄行為は、通常の犬猫等に比して重い罰則を設ける。
*カミツキガメ、アライグマなどが問題になりました。日本古来の生物の生態系への影響も深刻になりかねない部分です。本来このような動物は野生のままが望ましいとは思いますが、仮に飼育をする場合は、より一層の重い責任を課すべきと考えます。
(5)動物愛護法における引取り等の業務と、狂犬病予防法における捕獲・抑留業務を明確に分離する。
*法律の目的が異なるものまで、一律に保健所で対応している自治体が多すぎるように思います。
愛護法18条3項の、「都道府県知事は市町村の長に対し、犬又はねこの引き取りに関して、必要な協力を求めることができる」という部分がその根拠となっていますが、とても安易なように思います。(動物愛護センターは県の業務、保健所は市町村の業務)
迷子になった犬猫、負傷した犬猫などの収容は、愛護センターが直接対応すべきです。
動物収容のための専門の施設もなく、そのための人員が不足している保健所でその業務を行うべきではありません。保護も治療もきわめて困難な場合が多いのです。
このために狂犬病予防法の考え方で、わずか3日で処分するような扱いとなる場合が多い訳ですが、こんな所はどこかおかしいです。特に迷子等の犬猫は遺失物ですから。
この規定は旧法(動物の保護と管理に関する法律)から存在するもので、元々は愛護センターについての整備が進んでいないことを考えての規定だったかもしれませんが、もういい加減にその整備位は出来ているべきものではないでしょうか。
(6)学校飼育の規制
*これも法律の適用に問題があります。学校で飼育しているとはいえ、適用は動物愛護法で定めるべきです。
文部科学省の定める基準は二の次にすべきで、教育的配慮から学校では動物を飼育すべきとするのではなく、そもそもその学校で動物を飼育しうるのかどうか、その体制が整っているのかどうか、という点をまず考えるべきかと思います。
このように所轄官庁が異なるようなものにおいて、そこに動物が介在している場合、まず動物愛護法を適用する・・・そんな動物の基本法としての位置づけが考えられないものでしょうか。
(7)動物愛護推進員の委嘱及び動物愛護評議会の自治体設置を義務付ける
*現状は任意設置となっています。行政と民間をつなぐ制度として、その活用が期待されます。愛護法18条4項に、「都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬又はねこの引取りを委託することができる」となっており、委託先として推進員の存在が期待されている部分もあるかと思います。現状は、ボランティアであっても愛護センターから引き取ることが難しいところもあるため、この点は改善が望まれるところです。
なお、既にいくつかの自治体においては、推進員の委嘱はなされておりますが、その実態は未だ不完全であることは否めない事実のようです。
まず大きな問題としては、これら推進員等は現在の所、都道府県や政令指定市・中核市で委嘱しているということです。
つまり市町村の機関である保健所とは、直接の接触がないのです。
地域の様々な動物に関する苦情や相談事は、市町村の保健所等に入ってくるのが普通と思われますが、保健所等は現在のところ、愛護推進員に自らコンタクトをとることが出来ません。 (東京都の例です。他の自治体では異なるところもあるかとは思います。)
これでは愛護推進員を充分に活用することが難しいかと思います。
上記(5)でも述べましたが、狂犬病予防法を根拠として業務を行う市町村と、愛護法を根拠として業務を行う都道府県の二つに分かれていることからくる弊害かと思います。
ここら辺は、本当に分かりにくい部分です。
一つ例を申し上げると、本来保健所というところは、犬はともかく猫の引き取りはしない機関の筈ですが、この部分は多くの市町村で「都道府県の機関委任事務」ということになっているんですね。
この点について、正式な市町村への委任がされていなかったケースで、法律上の根拠を欠くとして猫の殺処分を拒否した獣医師の話を聞いたことがあります。
従って、愛護推進員の制度も都道府県の委任がなければ、市町村でそれを活用することが現状は難しいのかもしれません。
こういった弊害は、今後なくすべく考えていく必要があるものと思っております。
また、動物愛護推進員に実際になられた方からうかがうと、都道府県等からの委嘱だけがなされて、具体的な活動の中身が全く見えてこないというところもあるようです。
本法律には、その活動内容が具体的に定められているわけではありませんので、この部分は都道府県等の裁量に任されているということかとは思いますが、一定のガイドライン(指針)的なものがあってもいいかもしれません。
(8)罰則のさらなる強化
*刑事事件の器物損壊罪より軽く、「命が物よりも軽いのか」と良く言われるところです。国民の一般感情と照らし合わせても、この点は改正すべきでしょう。飼い主のいない愛護動物と、飼い主のいる愛護動物とでは、後者をより重く罰するという取り決めも一考の余地があるかと思います。それは、命ある財産権に対する侵害行為でもあるからです。また自己所有のペットに対する行為も後者になりますが、この点も適切に飼養しなくてはならないと言う義務にも違反しているわけですから、相応に重くても良いように思います。
(9)定義の明確化
*付帯決議第8号4にも明記されていますが、「虐待」「みだりに殺す」という行為について、さらに用語の定義を明確にすることが望まれます。
用語の不明確さは誤解を生み、本来、本法律で予定していない行為を、あたかも合法であるものと考え実行する者が出てきます。
いわゆる脱法行為です。
これを防ぐためには、用語の明確さを図っていくと共に、代表的な行為については、それを例示的に列挙して示しておくことが必要になってくるものと思います。
特に、現在既に問題が顕在しているものは、今回の法改正で必ず織り込むべきであると思います。
具体的な一例として、法第18条2項に関連した行為があげられます。
つまり、この法18条2項に定める都道府県の引き取り義務を根拠として、保健所や動物愛護センターに持ち込むことを目的として犬猫を捕獲することがあたかも正当であると主張し、自ら捕獲した当該動物をその所有者と名乗ってそのような行為を実際に行うものが存在しているという事実です。
事実、沖縄県浦添市においては、この問題が原因となって情報公開条例をめぐる行政訴訟が起こされております。
また、大手ポータルサイトの匿名掲示板においては、その犬猫に仮に所有者がいる場合においても、行為が犯罪には当たらないとして、それら行為を増長するような書き込むを行う人間も出てきております。
このような行為を行った場合は、そのままでもいずれ相応の場で裁かれることになるかとは思いますが、予め法律で抑止しておくことが必要かと思います。
そこで改正法においては、「法第18条2項により、都道府県及びその他行政機関に引き取らせることを目的として、所有者が存在しない、又は判別しない愛護動物を捕獲してはならない。」との定めを置き、違反者には更に罰則として、愛護動物をみだりに殺した場合と同等に罰する旨の定めをおくべきかと思います。
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