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動物の愛護と管理に関する法律違反被告事件
平成14年10月21日 判決
福岡地方裁判所
<事件の概要>
平成14年5月6日午後11時10分ころから同月7日午前3時20分ころまでの間、福岡市a区bc丁目d番e号fコーポg号の被告人方(当時)において、犯行当日拾ってきた愛護動物である猫1匹の尾及び左耳を波板切りはさみで切断してみだりに傷つけた上、その頸部をひもで絞めつけ、自宅付近のh川の水中に投げ捨ててみだりに殺したもの。
犯行時、被告人はインターネット大手匿名掲示板の中の特に犬猫などのペットを嫌う人間が集まる掲示板コーナーにおいて、この猫に対する虐待方法を募集する書き込みを行い、それに答える形で実行しその様子を実況中継した。
<判決文抜粋>
動物愛護に対する反感や猫の虐待行為自体を面白がって行っていたものと認められ、何ら酌量すべき点はない。
しかも、本件に追随する模倣犯、愉快犯の出現の危険も高めたものであり、社会に与えた悪影響は大きい。
本件犯行は動物の命を弄び軽んじた悪質な犯行であり、その社会的影響も大きく、動物の愛護及び管理に関する法律の立法目的に照らせば、被告人の刑事責任は決して軽くない。
として懲役6年、執行猶予3年を言い渡した。
管理人補足
当初、被害にあった猫が一匹であったことなどから、まず、捜査機関の腰が重いことが予想されました。
この動物の虐待事件というものは、マスメディアで報道される以上に多数発生しているものですが、これについて警察に捜査を求めたとしても、ほとんどのケースでは満足な捜査がなされない実情があるのです。
また、容疑者逮捕後も、最終的に正式な裁判を経ることなく、略式起訴による罰金刑の決着となる可能性も懸念されていました。
事件発生後、Dearこげんたというサイトが立ち上げられ、この事件に関して、捜査機関に対する「上申書」「嘆願書」の提出が呼びかけられました。
結果、多数の上記書類が捜査機関等に届けられたことから、これまでのこの手の犯罪に比してきわめて早く捜査が進み、この程度の量刑の犯罪としては異例となる長期の身柄拘束、また、略式起訴による罰金などではなく、正式な裁判を開いての懲役刑となるなど、その反響に見合ったものとなったと思います。
この事件で思うことは、このような残虐な行為を、自らの楽しみとして行うような人間がいるという怖さです。
言い換えれば、弱いものを傷つけ命を奪という行為を、あたかも嬉々として行っているとしか思えない人間が存在しうるという事実の不気味さです。
ごく普通の感覚を持った人間では、このような行為は決して出来るものではありません。
しかしながら、この犯人は、自らのその行為を誇るかのように、インターネットの掲示板で中継したりしているのです。
とても一般の人間の感覚では理解できかねることです。
事件が発覚後には一応反省している様子はあるのですが、それはあくまでも「世間を騒がせた」ことに対してであって、「虐待をした猫」に対してのものではないことにも、ひどい違和感を感じます。
事件が発覚せず、世間を騒がすことがなければ、この手の人物が反省をすることなど決してないということなのでしょう。
生き物を慈しむとか大事に思うというような、ごくごく当たり前の感覚は、いったいどこに消えているのでしょうか。
かわいそうとか、可愛いとか、そんな人間らしい感情は、最早無くなってしまっているのでしょうか。
残念なことです。
私たちの隣人にも、もしかしたらこのような人物がいるかもしれません。
実際、マスコミで報道されるよりも、ずっと多くの事件が発生しているものと思います。
最近では、精神医学の分野において、動物に対する虐待行為は重大事件の前兆になることが多いとも言われています。
地域の子供達をこのような人物から守るためにも、これら動物虐待行為については、決して見過ごすことのないようにしなくてはならないと思います。
冒頭で述べましたように、これら動物虐待という犯罪行為は、中々捜査機関が動かないとは言われているわけですが、地域のPTAなど子を持つ親としての立場からの声は、捜査機関を動かすための一つの有効な力となり得ます。
動物虐待を発見したら、地域で一丸となって、捜査機関に対応を求めていきましょう。
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