(飼育禁止請求事件/民事)
判決文抜粋
分譲マンションにおいて賃借人に対する犬の飼育禁止を求めた事例
H2.10.25 大阪地方裁判所





事件の概要と判決文の抜粋

(*判決文全文の掲載をする予定です。)


大阪地方裁判所 平成2年10月25日判決
 
 
<事件の概要>
 
管理組合Aの管理規約には、「専有部分内において小鳥、魚以外の動物を飼育して他の区分所有者に迷惑を及ぼす行為を禁止する」旨の規定があったが、区分所有者Xの従業員であるYが当該専有部分を社宅として使用、Yはその入居時から専有部分のバルコニーにおいて、犬2匹(柴犬、雑種犬)を飼育していた。

AはYに対し、犬の飼育の禁止を申し入れたが、Yがこれに応じなかったため、Yの犬の飼育禁止を求めて提訴した。


 
<裁判所の判断>
 
Aの請求を認め
Xに対しては、Yに犬を飼育させてはならない
Yに対しては、犬を飼育してはならない
との判決を言い渡した。
 
<理由>
 
Yは、バルコニーの一部をサンルーム風に改造した部分で2匹の犬(体長約50cmと65cm)を放し飼いにしており、Yの家族は、当初は朝晩2回、現在は1日に1回散歩に連れ出して脱糞・排尿を行わせて室内でさせないように努めている。

しかし、Y宅は、昼間は通常家族全員が職場や学校に出かけて不在となり、長時間犬だけがいることになるので、犬2匹がバルコニーで排尿し、その臭気がマンションの他の居住者の生活圏に及んでいる。

また、Yは犬を散歩に連れ出す際エレベーターの使用を避け、非常階段を出入りしているが、この非常階段は、通常は使用が禁止され、内側から外に出ると自動ロックされる仕組みとなっているので、Yの家族はロックがかからないようにガムテープを貼って外に出るため、外部からの出入りが可能になり、防犯上の問題を引起している。

更に、犬を散歩させた際、他の住民に犬への恐怖心を起こさせたり、子供からYの犬の飼育を例に犬を飼うことを希望されて説明に窮する等、困惑の波紋をひろげさせたりしている。

Yは、入居の際、規約によりマンションで犬を飼うことが禁止されていることを知ったが、そのまま飼育し続け、Aから再三の飼育中止の申し入れや念書の提出要求があったのに対し、これに応ぜず、このまま飼育を認めて欲しいとし、飼育を継続している。

なお、マンションでは、他にも犬を飼育している者がいたが、1人は専有部分を売却して出て行き、他の1人はYらとともに訴訟提起され、他に転居していった。

管理規約は「専有部分内において、小鳥、魚以外の動物を飼育して、他の区分所有者に迷惑を及ぼす行為」をしてはならない旨規定し、端的に「専有部分内における小鳥、魚以外の動物の飼育を禁止する」とは表現されていない。

しかし、この規定は、犬猫などの動物の飼育を禁止する趣旨で定められたもので、Aの規定の運用が一貫してその趣旨で行われてきたこと、及びYの犬の飼育が他の区分所有者に対して迷惑を及ぼしていることは以上のとおりであることからすれば、Yの犬の飼育は管理規約に反するものである。

しかも、飼育禁止規定がマンションの「区分所有者の円滑にして、快適な共同生活を維持するため」の自治規程であることからすれば、この規定に違反することは、このマンションの区分所有者の共同の利益に反するものである。





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作成管理:ねこのおじちゃん


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